練成会四谷ブログ

【入試問題分析】2024立命館慶祥中学校(SP)

作成者: 三上圭|Apr 12, 2024 7:13:55 AM

2024年度「立命館慶祥中学校(SP)」の中学入試問題分析をお伝えします。四谷大塚NETでは,道内主要5中学の入試問題分析をまとめた『中学入試問題分析資料』を毎年発行しています。この記事では,資料集の本文部分を抜粋して掲載しています。

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学校基本情報

立命館慶祥中学校
江別市西野幌640-1
入試日 1月8日
共学校
SP定員60名
四谷偏差値55
学校HPはこちら

算数

大問4題、小問19題で、昨年と比較すると問題量に大きな変化はありませんでした。大問Ⅰは、計算問題2題、規則性1題、文章題2題。「循環小数」「割合」「場合の数」に関する問題で、標準的な出題でした。大問Ⅱは図形問題で、「線対称な図形と回転移動の組み合わさった求角問題」「図形の移動」「立体の体積、表面積」の出題で、単純に公式に当てはめて解くという問題でなく、問題の条件を正確に把握する必要がありました。大問Ⅲは、表の読み取りの問題。3つの要素を組み合わせて考える問題が出題されました。一見複雑に見える事柄を整理して考えることができたが正誤を分けました。大問Ⅳは仕事算の問題です。グラフを絡めた出題で戸惑った受験生もいたとは思いますが、出題の難易度は高くなく冷静な対応が必要でした。今年もグラフを書かせる問題が出題され、今後も出題されることが予想されます。全体的に、立命館慶祥中らしい出題が多くみられ、年々問題傾向が明確になってきています。過去問題の演習で、出題傾向をつかんでおくことは必須といえそうです。
(算数文責:上田)

国語

大問4題構成は例年どおりです。大問1の類義語は昨年同様難化していますが、全問正解する必要はありません。今年は書き抜きの出題がなく、大問2の説明的文章で新傾向の問題(問5の選択肢問題)が出題されました。本文と2つの資料、そして生徒同士の会話文を関連づけた問題は、明らかに大学入学共通テストを意識した問題です。今年は比較的読みやすい文章だったため、この問5で差がついたと思われます。大問3の物語文では、1問だけやや難しい記述が出ていますが、これも昨年同様の傾向です。問5は60~70字以内という多めの字数指定を満たすために、どこから材料を拾うべきなのか、迷った受験生もいたのではないでしょうか。また、大問4の条件作文は、例年の「確かに~。しかし~。」という指定ではなく、書き出しの表現や資料のどこに目をつけるべきなのかが具体的に示されていました。一見書きやすく見えますが、作文答案を本文中に戻したとき、後に続く内容と矛盾のないようにしなければなりません。したがって、2文目→1文目の順で書くべき内容を確定させる必要があります。SP合格のためには、①細部にとらわれず筆者の意見や強調している部分(言い換え)をつかまえる②資料では「何と何が」「何について」「数値の大小・差」に注目する、以上2点が大切です。
(国語文責:廣田)

理科

大問4題・小問34題は例年通りです。6年間のSP入試を通して、全体の構成(大問Iが小問集合で、大問II~IVがそれぞれ分野別の問題)は変わっていません。大問Iの小問集合は、物理・化学・生物・地学から均等に出題される典型題です。普段の学習の成果が点数に直結します。大問IIは地学から、地層に関する問題。地層柱状図の読み取りは丁寧な条件整理が必要でした。大問IIIは化学から、気体の発生量に関する計算問題で、グラフの作図を含んでいました。過不足なく反応する点がデータとして明記されていないパターンで、習熟度によって大きく差がついたといえそうです。大問IVは、5年連続で生物に関する文章読解。見開きA3の1ページ分が図表を含めたリード文に与えられており、膨大な文章を丁寧に読み条件を整理する体力が必要でした。全体的には、週テストb問題レベル相当の難易度といえます。現象の本質的な理解を大切にした学習を大切にすると同時に、長い文章や初見のデータの丁寧な読みとりも、各種模試や過去問演習を通じて練習していきましょう。
(理科文責:郷)

社会

大問4・小問26題、長文記述が1題の出題であり、地理・歴史分野が中心という構成も昨年までと大きな変更はありません。公民分野はグラフ選択と正誤選択の2題のみ、時事問題は宇都宮市の次世代路面電車「LRT」のみの出題で、それ以外は地理・歴史との融合問題でした。政治分野は出題されず、この傾向は続く可能性があります。地理分野では、例年通り新旧の地形図から相違点を見つけ出す問題もあり、ここで時間配分を間違えないようにすることが大切です。歴史分野では、簡潔にまとめた6つのカードから、その時代背景を問う問題でした。資料から正答を判断する問題が5題出題されているのが特徴的で、地理同様、この出題形式に慣れる必要があります。長文記述では「レスポンシブル・ツーリズム」という考え方が生まれた背景を資料から読み解く問題で、150字以上で説明するもの。指定語句をヒントに「何を書くべきか」に気づけば、取り組みやすい内容でした。40分という試験時間から、長文記述を解くために10分程度を捻出できるよう時間配分に注意しましょう。
(社会科文責:大楽)