中受を経験して得られるもの

こんにちは。四谷大塚NETの三上です。

今回は、「中学受験を経験して得られるもの」の第1回です。12歳の少年少女たちにとって決して楽な道ではない『中学受験』。けれど、楽ではないからこそ得られるものの多い、貴重な経験だと考えています。

中学受験を経験して得られるもの① 豊富な知識

『知識』は人生を色鮮やかにしてくれるものです。1729という数字を見てワクワクしたり、夜空から星座の物語を思い描いたり、テレビに出てくる札幌市長の顔を見て政令指定都市の力を再認識したり…

授業中に子どもたちが発する何気ない一言を聞き、「そんなことまで知っているのか!」とハッとさせられることは少なくありません。そのたびに「この子たちが見ている世界は、自分が見ているそれよりも、ずっとずっと色鮮やかで素敵なんだろうな」と思い、うらやましくなります。

四谷大塚NETで使用している『予習シリーズ』には、大人でも解けないような問題がたくさん登場します。小学生で、こんなことまで知っている必要があるのか?と、思わず唸ってしまうような知識事項も扱います。
国民皆スマホ時代に知識なんて…と思う事なかれ。知識は間違いなく、考える力と密接に関係するものです。ここで、一つ入試問題をご紹介します。


社会の入試問題紹介(学習院女子中等科2023年)

Q.もちの形をみると、西日本では丸もち、東日本では角もちが多いが、北海道では丸もちと角もちの両方がある。北海道に丸もちと角もちの両方がある理由を、歴史的背景をふまえて説明しなさい。


我が家は角もち派ですが、皆さまのご家庭ではいかがでしょうか?
この問題の答えは「明治時代に開拓のために日本各地から移住した人が多かったから」となります。

ここで注目したいのは「西日本=丸もち」「東日本=角もち」という知識を必要としているのではない、ということです。
問われていることは、北海道には各地から移住者がやってきている、という歴史的背景を正しく理解しているかどうか、ということ。
そして、この問題の本質に触れることに付随して、自分の家とは違う形の餅を食べる文化があることを、子どもたちは知ることになります。

こうした一つひとつの学習の積み重ねで、世の中で起こる事柄の背景にあるものや、文化の広がり、人と人との違いなど、様々な知識に触れることができます。そうして得た知識は、好奇心や向学心を刺激し、考える力を育んでいきます。

ちなみに、このブログを書いている私(三上)の専門は算数です。学生時代、社会は大の苦手でした。手前みそながら、当塾の講師陣が繰り広げる社会の授業を聞くたびに「自分も、学生時代にこんな先生に出会うことが、できていたらな…」と思ってしまいます。

次回の内容は、そんな社会科講師陣から、社会を楽しむ、とっておきのコツをお伝えする予定です。次回も、ぜひお楽しみに!